教育実習【お礼状】書き方と例文のすべて
教育実習が終わったら、報告レポートとお礼状を 忘れずに出さなければなりません。
今回は、教育実習のお礼状について、実際に受け取った立場から伝えたい書き方をお伝えします。
お礼状に書くべき内容
書くべき内容は、次の通りです。
- 感謝の言葉
- 迷惑をかけたことへの謝罪の言葉
(もし気になるのであれば謝っておきましょう) - 実習で学ばせていただいたこと
- 学んだことをどうするか(将来の展望)
- 相手の健康などを気遣う言葉
注意していただきたいのは、「実習で学ばせていただいたこと」の内容です。
早い話が、「お礼状」の内容ではなく、「感想文」の内容になってしまっている実習生がいるのです。
次の文章は、実際に教育実習生が送ってきたお礼状の一部分です。
「はじめのうちは 緊張しましたが、慣れてくると、とても楽しく過ごせました。」
これを読んだ先生方は、
「あなたはいつまで生徒のままなの?」
とおっしゃっていました。
わたしも、同感です。
教育実習は、「教員」として生活します。
だから、学生目線ではダメなのです。
教員としてどうありたいか、どうあるべきか考え、振舞わなくてはなりません。
少し硬い話になりましたが、教員として学んだことを書いてほしいのです。
お礼状を書くタイミング
本来であれば、実習がすべて終わってから、お礼状を書くべきです。
しかし、研究授業さえ終われば、心にゆとりができます。
そこで、実習期間中であっても、余裕があるときに、お礼状の下書きくらいは書いておくとよいです。
記憶が新しいので、学んだことや失敗してしまったことを鮮明に思い出せるはずです。
実習が終わった日は、その下書きを読み直し、推敲します。
そして、きちんとした便せんに清書します。
あとは、宛名を書いた封筒に入れ、切手を貼って送るだけです。
郵送するタイミング
とくに決まったタイミングはありません。
実習が終わってから、1週間以内に郵送すればバッチリです。
お礼状は、願書と違って、期限があるものではありません。
だからと言って、実習が終わって1週間以上経ってしまうと、遅く感じられます。
適切なタイミングは、実習が終わって3~7日後に届くように送ることでしょう。
なお、教採の願書のように、簡易書留などで送る必要はありません。
切手を貼って、ポストに投函するだけでOKです。
書き方7つのポイント
教員だった立場から見ると、お礼状すら まともに書けない実習生が増えてきたように感じます。
教員の質が下がっているのは本当のことなので、とても残念に思っています。
わたしは、キレるような人間ではありませんが、中には、
「これは、ただの感想文だろうが!」
と怒る担当教諭もいました。
「立つ鳥 跡を濁さず」と言います。
最後に送る お礼状で、美しく実習校を去ることができるかどうかが決まります。
手紙の書き方については、中学で学んだ「国語」を思い出しましょう。
そこできちんと、手紙の書き方を学んでいるはずですから。
全体を通して言えるのは、敬語を正しくつかうことですね。
よく間違える表現に「おっしゃられる」があります。
これは、尊敬語「おっしゃる」に、尊敬の意味をもつ助動詞「れる・られる」が合体した形です。
しかし、一般的に、「尊敬」の意味の語を重複して遣うことは、日本語文法において誤りだと言われます。
正しくは、「おっしゃる」または「言われる」です。
では、敬語以外で、お世話になった方に 手紙を書くポイントを7つ挙げておきます。
- 「拝啓」で始まり、「敬具」で結ぶ。
- 「~です・~ます」(敬体)で書く。
- 最初の段落に、時候の挨拶を記す。
- 時候の挨拶のあとに、相手を気遣う文章を入れる。
- 実習でお世話になったことへの感謝の気持ちを記す。
- 実習中に起きたハプニング等を記し、担当教諭の良き姿・見習いたい旨を記す。
- 最後に、相手の健康やご多幸を願って、結びの文を書く。
お礼状の例(テンプレート)
では、最後に わたしが書いたお礼状を載せておきます。
縦書きですので、数字は漢字を用います。
拝啓
初秋を迎え、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
この度は、お忙しい中、三週間の教育実習をさせていただき、ありがとうございました。非常に短い間でしたが、大学の講義では得られない貴重な経験を積むことができました。特に、毎日子どもたちの様子を観察し、一人一人がどのようなことを考えているのか 想像する大切さを学びました。例えば、授業中、子どもたちが妙にソワソワしていると感じた時、私は、板書した漢字を間違えていました。このことに気づいた直後、ある子どもが「先生、字が違うよ」と指摘してくれました。
こうして子どもたちに助けてもらえることは、信頼の証でもあるということを○○校長先生から教わりました。さらに、教科指導担当の□□先生におかれましては、繰り返し失敗してしまう私を 何度も励ましてくださり、心強い支えになってくださいました。また、学級指導担当の△△先生をはじめ、第二学年団の先生方からいただいた厳しいご指導によって、どの教育実習生よりも実りある実習になったと自負しております。
この教育実習を通して、これまで以上に「教員になりたい」という思いが強くなりました。大学の講義だけでなく、自分で時間をつくり、教員としての専門性を高めていきます。そして、教員採用試験に合格して戻って参ります。
たった三週間ではありましたが、貴校で学ばせていただけたことを非常に嬉しく思っています。本当にありがとうございました。
末筆ながら、校長先生をはじめ、全教職員の方々のご健康を心よりお祈り申し上げます。
敬具
令和○年○月○日
○〇大学○○学部○○学科
実習 花子○〇○学校校長
○○ ○○先生わたしが書いたお礼状
上記の文章を参考にして、あなたなりのエピソードを交えながら書くと良いでしょう。
ただし、あくまでも、謙虚な姿勢で言葉を選ぶことを忘れないようにしてください。
「担当教官が もっと面倒見てくれる人だったらよかったです。」
というような上から目線のことは、無礼ですので、たとえ思っていたとしても、書かないようにしてくださいね。
封筒の書き方に不安がある方は、こちらをご覧ください。
お礼状とレポートを出し、終了
ここまで、お礼状について くわしく見てきました。
実習が終わったからといって、お礼状を出さない人は、非常識な人だと思われてしまいます。
さらには、その学生が所属する大学も、指導が行き届かない、良くない大学と思われてしまいます。
お礼状は、個人の問題では済まされないので、きちんと書きましょう。
なお、お礼状を書くときは、担当の先生ごとに手紙を分けるのがベストです。
わたしの場合は、実習先の校長先生宛て・教科指導担当の先生宛て・クラス指導の先生宛てというように、3通送りました。
もちろん、内容は3通とも違います。
余裕がない方は、校長先生宛ての1通にまとめてもOKです。
さぁ、これで お礼状は大丈夫そうですね。
あとは、報告レポートを仕上げて、とっとと提出してしまいましょう。
レポートも、ただの感想文にならないように気を付けてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
教員採用試験もファイト!