成績【つけ間違え】教師はどうするべきか

教員をしていると、子どもたちの成績をつけなければなりません。

テストの点数だけで付ける先生もいれば、きちんと一人一人の伸びによって付ける先生もいます。

今回は、そんな成績処理で、付け間違いをしてしまった教師の話をしましょう。

この記事で分かること
・成績の付け間違いはあり得る
・教員も人間である
・ミスに気づいたら即対応する
・海外では成績を付けない

 

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成績を付け間違えた件

しばらく教員として勤めていましたが、成績(評定)を付け間違える場面に遭遇したことは、1回だけあります。

その時のことを くわしく書き残しておきます。

 

ある日、生徒(Aさん)から受けた、次の申し出が事の始まりです。

Aさん

先生。
わたしの成績が「2」なのは、なぜですか?
 
提出物をまったく出していないし、テストの点がわたしよりも低かったBさんが「成績は3だったと思う」って言ってたんですけど。

教科担当

え?
ちょっと待って。
確認するから…。
 
提出物は出した?

Aさん

出していると思います。
提出したものにハンコが押してありました。

教科担当

その提出物、今日持ってる?

Aさん

はい。持っています。
ここにハンコ押してありますよ?

教科担当

あぁ、本当だ。
うーん、ちょっとコレを預かってもいいかな?

Aさん

はい、どうぞ。
 
先生、今から成績が変わることってあるんですか?

教科担当

何とも言えない。
下っ端だから、上の先生に相談して聞いてみるよ。
また報告するから。

Aさん

お願いします。

 

このような やり取りの後、教科担当の先生は、さまざまなことを確認しました。

すると、次の3つが判明したのです。

  1. Bさんの成績は3ではなく1に近い「2」だったため、Aさんは誤った情報を正しいと認識してしまっていること。
     
  2. Aさんの成績を「未提出」で処理しており、平常点に不足があったこと。
     
  3. Aさんの成績は、3に近い「2」だったため、提出物の点数を入れると「3」になること。

 

このとき、成績決定という大事な場面でミスをしてしまったことに気づかれました。

 

ミスを中間層に報告

実は、この教員は、Aさんの成績を直接付けた訳ではありませんでした。

主で担当している他の先生(C先生)が成績を決めてくれていたのです。

このC先生は、ミドル世代の教員だっため、「成績処理はやっておくから」と言われていたようです。

そして、成績が決まったら「こうなったよ」という報告を受けて、成績処理が終了だったのです。

 

今回の問題が発覚したときも、真っ先に このC先生に 報告・相談した教科担当の先生…。

このとき、後々 これが事を大きくさせるなどとは微塵も思っていなかったことでしょう。

 

教科担当

C先生。
今、お時間よろしいですか?

C先生

うん、いいよ。
なんだい?

教科担当

実は、成績を付け間違えたかもしれないのです…。

C先生

あれまあ。
それは、それは…。
 
ちょっと確認してみようか。

教科担当

お願いします。

C先生

何年何組何番の子?

教科担当

◯年◯組◯番のAさんです。

C先生

Aさんか~。
(パソコンの画面を指しながら)
ここだね。

教科担当

提出物を出していたのに、
チェックが漏れていたようで
平常点が△点 足りないのです。

C先生

そうだったのか。
でも、今から成績を変えることはできないんでね。

教科担当

そうですよね…。
何て説明しようかな…。

C先生

まぁ、謝った上で、次の成績に反映させるってことで、いいんじゃないか?

教科担当

本当に成績を変えられないんですよね?

C先生

うん、変えられないなぁ。

教科担当

そうですか。

 

このとき、教科担当の教員は、心の中で「このあとは、C先生が何とかしてくれる」と期待していたそうです。

また、上司にあたるC先生に報告・相談したので、このあとC先生から 主任や管理職にまでこの報告が届けられると思っていたのです。

これが間違いでした。

 

C先生は、この件を管理職に伝えるどころか、内密にしていたのです。

管理職に報告する必要性は知っていたのですが、上司のC先生にそのような進言をするのはどうかと思ったので、言いませんでした。

 

あなたに言えることは、まず中間層の先生に報告・相談したとしても、すぐに管理職にも相談することです。

隠ぺいしても、いいことなんて少ないですから。

 

事の始末

次の日、学校に一本の電話が入りました。

Aさんの保護者の方からだそうです。

 

もちろん、Aさんの成績についてのお問い合わせでした。

 

これを受け、主任の先生に確認の話が届きます。

そして、教科担当のところにも、主任が確認の話をしに行きました。

「どういうことか」と。

 

今回の一件を ありのまま伝えると、主任は納得された様子ではありました。

ただ、内部用の報告書を書くことと、Aさん成績をすぐに訂正するようにと言われました。

 

「上司であるC先生に指示を仰いだのに、こうなるなんて…。」

教科担当だった先生は、C先生に言われたことも含めて、そのままA4の報告書に記しました。

もっと詳しい事情聴取があるのかと思いきや、ものの5分で書き終えたこの報告書で よかったようです。

 

その後の対応について、わたしたちは知りません。

きっと、管理職がAさん方に頭を下げて、成績を訂正させていただきましたとでも言ったのでしょう。

 

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反省を活かして

今回の件を身近で見て、提出物をチェックすることをやめました。

時間のムダになると判断したからです。

また、勉強は各自で頑張るものであり、教師から言われてやるのでは違うとも思ったからです。

 

その代わりに、授業態度をときどきチェックして、それを点数化することにしました。

他事していたら減点すると生徒にも伝えました。

 

そうして結局、日本も海外のように、教員が子どもの成績を決めるべきではないと考えるようになりました。

今では、この窮屈な世界から足を洗い、まっすぐな心で 子どもたちを見ることができています

 

もし、今回のミスがあなたの参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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