痛い【親知らず】腫れてきた!?智歯周囲炎かも…
「親知らずが生えてきて痛い!」という あなた。
その親知らずの痛みを放っておきますか?
それとも、すぐに歯医者さんに行きますか?
「きっと、しばらくしたら治るだろう」
そんなふうに考えてはいませんよね?
もし、今の痛みを放置すると、わたしのように、さらに痛い目に遭っていまうかもしれません。
だから、今回、親知らずについて知り、歯と体の健康を保つためのポイントをぜひご覧ください。
社会人だと痛みを放置しがち
わたしは、大学生だったときに、生えかけていた右下の親知らずだけを抜きました。
歯を抜いた後は激しい痛みで、3日間は家から出かけることができませんでした。
抜歯のときのことについては、こちらを参考になさってください。
そのころ、ほかの親知らずは、生えている気配がなかったので、気にしていませんでした。
ただ、右上の親知らずは、あごの骨に埋もれているため、今も かんたんに抜くことはできず、あきらめています。
そうして、社会人になって数年が経ったある日、
「なんか左奥歯が痛いなぁ~」
と思い、鏡で見てみました。
すると、左下の親知らずが かなり見えているではありませんか。
歯茎からにょきっと頭を出していて、生えてきているのがはっきりと分かりました。
だから痛いのか…と納得しましたが、痛みは治まりません。
その日は、痛みのために、あまり口を動かすことができず、おかゆ、そうめん、ドロドロのシチューといった食事で生活しました。
しかし、放置しているだけでは、痛みが治まるはずもありません。
しかも、社会人なので、今すぐに抜歯してもらうというわけにもいきません。
多くの社会人がそう思われるのではないでしょうか。
そこで、わたしは、その日から毎食後、入念に歯磨きをしようと決めました。
痛みは「炎症」のサインだった
しかし、残念なことに、わたしの左下の親知らずは、手遅れだったようです。
痛みを感じたのは、炎症が起き始めていたからでした。
次の日、わたしの顔の左側は大きく腫れあがり、まるで虫歯になったアニメの主人公みたいになっていました。
しかも、親知らずの痛みで、夜中に2回 目が覚めたので、睡眠が不十分でした。
目の下のクマまで、不健康さを出していました。
この痛みと腫れた顔で出かけることはできず、せっかくの予定をすべてキャンセルせざるをえませんでした。
歯医者さんでの治療
予定を変更して、歯医者さんにかけこみました。
お医者さんの診断は、智歯周囲炎(ちししゅういえん)というものでした。
「智歯」というのは、親知らずのことです。
(親知らずについて知るには、こちらから)
いわゆる、生えかけている親知らずが原因の炎症が起きていたのです。
親知らずは、永久歯として、もっとも奥に生えてくる歯です。
人によって生えてくる向きや時期が違う歯でもあります。
ただ一つ、どの人にも共通して言えるのは、もっとも奥に生えるため、ふつうの歯磨きでは十分に磨けないということです。
いくらふつうの歯磨きをていねいに行っても、落としきれない食べかすなどが親知らず周辺に残り、細菌の繁殖につながってしまうのです。
そうして増殖した細菌が、親知らずが生えかけている部分、あるいは、傷ついた歯茎などから侵入してしまうことで、今回のわたしのような症状になると言います。
ただし、ふだんであれば、わたしたちがもつ免疫のしくみにより、体内に侵入した細菌は排除されます。
今回ばかりは、季節の変わり目ということで、わたしの体の免疫力が低くなってしまっていたようです。
トホホ・・・。
腫れがあると親知らずを抜けない
また、歯医者さんに行ってみて、分かったことがもう一あります。
痛みがあるときや顔・歯茎が腫れているときは、抜歯できないということです。
痛みの原因は「親知らず」で、また痛くなる可能性があるから抜きたかったのですが、腫れていてはできないと断言されてしまいました。
そのため、今回は、症状の悪化を防ぐための治療だけをしてもらうことにしました。
炎症を治療する方法はレーザー照射!?
わたしが経験した治療法は、炎症が起きている左奥の歯茎に、レーザーを当てるというものでした。
くわしくいうと、歯医者さんで使うレーザーには、4種類ほどあるそうですが、今回はそのうちのひとつ、YAGレーザーを使ってもらいました。
残念なことに、レーザー治療は、すべての歯医者さんで行われているものではありません。
レーザー治療は、早く治ることで有名です。
だから、顔まで腫れあがっているときには、ぜひレーザー治療を受けてください。
ただし、正直な感想を言うと、このレーザーは、ものすごく痛かったです。
炎症が起きているときの痛みのほうが、まだマシでした。
歯と歯茎の境目に照射され、歯茎がめくられているような痛みを感じました。
あとでひどく痛かった理由を尋ねると、歯周ポケット(歯茎と歯の境目)に直接レーザーを照射するからだそうです。
さらに、わたしの場合、お医者さんが入念にレーザーを照射してくださったからだそうです。
歯科衛生士のかたが言っていました。
その日は、痛み止めと化膿止めを処方してもらいました。
痛み止めはロキソニン、化膿止めはケフラールを出していただきました。
レーザーを照射したあとの腫れ具合は、レーザーを当てる前よりもひどくなってしまいましたが、よくなるだろうと信じ、安静にしていました。
3日経つと、すっかり痛みや腫れが引き、いつもの生活に戻ることができました。
それまで、顔がパンパンだったことが嘘のように思えました。
レーザー治療の良いところは、本当に すぐ効果が出るということですね。
デメリットは、レーザーを当てているときの痛みが尋常ではないことです。
わたしは、冷や汗が出て、歯科衛生士さんに拭いてもらうほどでした。笑
痛みを放置しない
痛みを感じたら、急患として歯医者さんに行くことを強く勧めます。
しかし、休診だったり、予約が取れなかったりすることもありますよね。
そういった場合、絶対に放置してはいけません。
悪化させないように、自分にできることを最低限してください。
もし、放置して、患部から細菌が体内に入ってしまうと、さらなる病気へと発展しかねません。
知り合いの現役の歯科関係者に話を聞きました。
歯周病などの歯の病気を放っておくと、心臓病になる可能性が高まるという恐ろしい話です。
実際に、歯周病と心臓病との関係が論文でも示唆されています。
だから、今すぐ歯医者さんに行けないとしても、最低限、あなたにできる「歯磨き」は、入念に行ってください。
歯医者さんに行けないときの応急処置
もし、痛みに余裕があるのであれば、今のうちに薬局に行き、応急処置の道具を買いましょう。
次に書いた応急処置の方法は、現役の歯科衛生士さんにうかがい、わたしが実行したものです。
薬局で買うことができる市販薬で、かんたんに応急処置することができます。
応急処置に必要なもの
- 清潔な綿棒
- 清潔なティッシュ(ガーゼ)
- イソジン(消毒用)
- 医薬品 デントヘルス
- 奥歯を照らすためのライト
(使うと見やすいです。)
応急処置の方法
- 歯磨きをして、口の中を清潔にします。
とくに、痛みを感じる部分の汚れがなくなるようにします。
- 綿棒の先に、イソジンを5滴 垂らします。
下に垂れてしまうことがあるので、洗面所や流しで行うとよいです。
5滴垂らすと、上の写真のように、イソジンが染みわたります。
- 2.の綿棒を患部に軽くあてて、消毒します(その後、口をあけたままにする)。
- 患部にあてた綿棒の先とは逆の先にティッシュ(ガーゼ)を巻きます。
- 4.の綿棒で、イソジンを吸い取ります。
- 5.の後、口をあけたまま、医薬品 デントヘルスを別の綿棒に約1.5mmとり出します。
できるだけ、薬の出る部分が、綿棒に接しないよう気をつけましょう。
- 6.の綿棒を直接患部にあてて、薬を軽く塗り広げます。
- そのまま、最低30分間は飲み食い禁止とします。
以上が応急処置です。
ヒトの手には細菌が付いているので、ちゃんと手を洗ってから行うようにしてくださいね。
また、手を洗ったとしても、使う前の綿棒の先に直接触らないようにしましょう。
このように、綿棒の両端に綿が付いている場合は、中央部を持つとよいですね。
ふだんの歯磨きが原因?
ただ歯磨きをすればいいという話ではありません。
あなたの歯磨きの仕方に、問題がないか見直してみましょう。
選ぶべき 歯ブラシは「コンパクト」
まずは、歯ブラシの選び方です。
現在は、数多くの歯ブラシが売られています。
奥歯まで磨きやすい歯ブラシは、ヘッドが小さい歯ブラシです。
よく、パッケージに「コンパクト」と書かれています。
毛の硬さは、「ふつう」がおススメです。
歯茎から出血しやすい人は、「やわらかめ」を選ぶとよいでしょう。
歯磨きのクセを知る
あなたの歯磨きのクセを知っておきましょう。
磨きやすい場所、磨きにくい場所は、人それぞれ違います。
たとえば、右利きの人は左側の歯が、左利きの人は右側の歯が磨きにくいようです。
どこが磨きやすくて、どこが磨きにくいのかを知っていれば、意識することで、磨き残しを少なくすることができます。
また、最初は意識して磨いていたとしても、慣れてくれば、日常生活で無意識のうちに行うことができるようになります。
歯ブラシは、2種類そろえる
ふつうの歯ブラシだけでは、親知らずのような奥歯は、十分に磨くことができません。
歯磨きが苦手な人も同じです。
そのような方には、この歯周ポケットをピンポイントで狙える歯ブラシがおススメです。
ヘッドがとても小さく、超極細毛というのも最適です。
歯茎と歯の境目にある残りかすをちゃんとかき出してくれるからです。
知り合いの歯科衛生士さんに訊いたところ、LION システマのデンタルタフトがとくにおススメだと教えていただきました。
確かに、パッケージにも、「歯科医が奨める」と書かれています。
奥歯の磨き残しを少なくするには、ふだんの歯ブラシでケアしたあと、この小さな歯ブラシで、親知らず周辺を入念に磨くのがポイントです。
痛いときは、軽く当てるだけでもかまわないそうです。
歯と歯茎の境目にブラシの先端が入りこみ、残りかすをかき出すのがねらいです。
最後に
歯があってこそ、おいしく食事をすることができます。
そして、食事をすることができるからこそ、健康な体でいられるのです。
わたしは、そう痛感いたしました。
あなたも、今から、磨き残しの少ない歯磨きを徹底してください。
そして、お口から健康な体を目指しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。