学校【先生】犠牲になるしかない

先生という仕事は、みなさんが想像しているものよりも、うんとラクで、うんと大変です。

今回、学校は、先生が自分を犠牲にすることで成り立っているということをお伝えします。

スポンサードリンク

先生の仕事

あなたが知っているところで言うと、

  • 授業
  • テストの採点
  • 問題が起きたときの対処
  • 保護者対応
  • 部活動・クラブ活動
  • 学校行事の企画
  • 行事の引率

あたりでしょうか。

最初は、わたしもこれくらいの仕事だろうと思い、高校教諭として採用されました。

ところがどっこい、ありえないほどの仕事量(笑)

もう、笑うしかありませんよね。

そんな先生の1日のスケジュールは、たいていパターン化しています。

小・中学校が大変だと言われ、高等学校はラクなほうだと内々で言われています。

 

自分の時間は ほぼゼロ

中学の先生は、自分の時間なんてほとんどありません。

帰宅時刻も、てっぺん(夜中の12時)をまわることが当たり前です。

「これって、労働基準法は大丈夫?」
と心配してくださった方、ありがとうございます。

残念ながら、先生(公務員)って、関係ないようなもんみたいです。

勤務時間表なんてものは一応、ありますが、本当に「一応」です。

実際は、「休憩15分」と書かれている時間に休憩など一切取れませんし、子どもたちと常に関わっていなければならないのです。

このことについて、管理職(校長や教頭)にきいたことがあります。

しかし、「公務員だから仕方ない」のだそうです。

 

わたしなんかは、国から「国民全体の奉仕者として、身を犠牲にしてまで働け」と言われているようなもんだと思ってしまいます。

その代わり と言ってはなんですが、社会における地位は確立しています。

例えば、アパートやマンションを契約する際、まったく問題なく借りることができます。

先生は、社会の信用が得られている特殊な職業でもあるのです。

この信用の代わりに自分の時間をとるか否かは、個人の自由といったところですね。

20代の先生も、辞めていく方は結構います。

 

自分の時間がゼロではない

先生だからといって、自分の時間がまったくないわけではありません。

小学校・中学校・高校すべてにおいて、子どもが学校から家に帰れば、おのずと手は空きます。

その時間に、次の日の用意をする先生もいれば、自分のことをやる先生もいます。

もちろん、その日が終わるまでにやらなければならない業務をしている先生もいます。

 

スポンサードリンク

会議と担任業務が時間を奪う

頭を抱える人

どの先生にも共通しているのは、会議があることです。

会議中は、割り当てられたほかの仕事なんてできません。

わたしは、心の中で、「魔の時間」とよんでいました。

こうした会議は、ダラダラと長く続くことがほとんどでした。

学校をはじめとする公的な組織も、働き方改革によって、会議のあり方を変えるべきです。

そうすれば、勤務時間をはみ出てまで、先生の時間を奪うことなどなくなるはずです。

裏では、「どの企業よりもブラックだ」なんて言われるくらいですからね。

 

学校の会議は、形式がさまざまです。

しかし、いまだ多くの学校では、紙媒体で資料が用意されます。

わたしたちが納めている税金で、その紙やインクを買っているのです。

学校は、書類の種類も枚数も多すぎます。

会議の資料くらい、電子媒体で管理したほうがいいのではないでしょうか。

担当者の資料をコピーする時間が減り、資料を探す手間も省けて、多忙化解消につながると思います。

 

また、配布資料に誤りが多い場合や、資料に対する質問ばかり出る場合は、会議の進行が遅くなります。

すると、先生が開放される時間は、たいてい18時になります。

そして、そこから帰宅するとなると、住んでいる場所によっては19時や20時にしか帰宅できないことになります。

中学校では、これが当たり前になってしまっているようです。

 

中学校の場合、先生がたの時間的な余裕が少ないために、十分な資料をつくることができないと考えられます。

そのため、資料の情報不足が指摘され、会議が長くなってしまうのではないかと考えます。

であれば、会議が始まる以前に、あらかじめ資料を配布し、管理職やベテランの先生に目を通しておいてもらうことがいいのではないでしょうか。

質問や情報の不足を前もって知っておくことで、比較的にスムーズな対応ができるのではないでしょうか。

できるだけ、早く会議を終わらせて、定時よりも前に先生全員を解放してやってください。

 

さらに、自分の時間が必要なのであれば、管理職にかけあって、仕事量が少なくなるようにしてもらうことも できないことはありません。

あるいは、勤務時間を減らして、お給料も減額してもらうことだってできます。

ただ、どの場合も、その学校の校長だけが判断するのではなく、公立であれば教育委員会という組織が最終的な判断をします。

精神的な理由や家庭の事情といった大きな理由があれば、すぐに対応してくれるでしょう。

 

まぁ、とくに仕事量が多いのは、担任業務ですね。

担任をもつと、そのクラスの子どもたちに、あらゆるケアをしなくてはなりません。

近年は、障がいを抱えた子どもが多く入学してくるため、先生方は、その対応にも追われています。

これに加えて、保護者懇談会といった保護者の対応もしなければならず、子どもばかりを見ているわけにもいかないのです。

 

担任をすることを良しとする先生、つまり、「自分のクラスをもちたい」と言う先生は担任をもってもらっていいのです。

しかし、自分のクラスをもちたくない人は、担任にするべきではないと考えます。

だって、やる気がないんですもの。そんな人に担任してほしいですか?

わたしならイヤですよ。自分の子どもをそのような人に預けたくなどありません。

 

それに、わたしのように、家庭にも時間を割かなければならない人もいます。

そのような先生は、なおさら、担任を望まないことが一番です。

この方法は、中学・高校であれば、できる可能性があります。ただ、小学校では難しいです。

その代わり、中学・高校では、部活動の主顧問や〇〇部主事(主任)が割り当てられることがあります。

わたしの経験上、高校では、28歳の先生が校務分掌の主任をやっていたことがあります。

また、小学校だと、学年主任・教科主任を兼任している23歳(大卒の初任者)もいました。

 

表向きは先生過多、裏は先生不足

背景にあるのは、若手に経験を積ませようと、ベテランの方が裏手にまわることです。

「ベテランになってまで、主任などやりたくない。」

という話もさんざん聞きました。

若手にすべてを任せて、口を出すときはやたらと口を出す、そんな先生が多いです。

そして、最悪の場合、若手はつぶれるのです。

いわゆる精神疾患になり、学校を去っていく先生も少なくありません。

もちろん、若手だけがつぶれるわけではなく、中堅世代の知り合いだった主任さんや主事さんもつぶれて、学校に来られなくなりました。

だからこそ、現場では、本当に先生が不足しています。

不足しているのだから、できるだけ多く、先生を雇ってくれればいいですよね。

しかし、少子化も関係し、十分な人数の教員がいるからと、雇ってくれない自治体が存在するのが現状です。

そうして、先生が足りないと、日本はどうなると思いますか?

 

学校教育の崩壊

すこし大げさですが、本当に日本の教育自体が崩壊しかねません。

先生が不足する。

ほかの先生に負担がかかる。

先生が1人倒れる。

先生不足で、倒れた先生の代わりがいない。

そのほかの先生の負担になる。

ほかの先生が精神的に参って休養する。

さらに ほかの先生の負担になる。


終わりがありません。

先生には休みもなくなり、余裕もなくなります。

そんな余裕のない先生も、一人の人間ですよ?

まともな教育なんてできなくなるのが当然でしょう。

 

そして、その影響は子どもたちにまで及びます。

余裕のない先生に教育される。

余裕をもつことができない大人になる。

余裕のない日々が当たり前になる。

日本全体が余裕のない社会になる。

 

これに加えて、学力の低下も心配されます。

余裕のない先生は、十分な授業準備ができません。

実際、土日といった休日も、学校に出てきて、次の週の授業準備をしています。

 

しかしながら、自分の休める時間を削ってまで働いているので、からだを壊しやすくなります。

からだを壊したら、子どもたちの授業はどうなると思いますか?

 

多くの学校は、自習になることが多いので、授業が進みません。

授業が再開されたとき、授業を速く進めようとするため、子どもにとってわかりにくい授業になることが予想されます。

このように、学力の低下にまでつながってしまうことが考えられます。

 

以上のことが一部の学校現場で、今まさに起きていることです。

やがて、日本全体に広がっていってしまうことが予想されます。

 

最低限、子どもへの悪影響は避けたいところですが、このような状態なので、学校に先生がいるだけマシのような気もします。

だから、今の先生方は本当に大変で、自分の家族、時間、お金を犠牲にしてでも、なんとこれからの日本を支えようとしているのだと、わたしは思っています。

 

最後に、もし あなたや身近な方が先生なのであれば、お伝えしたいことがあります。

自分の時間・家族・お金 すべてを犠牲にしないでください

もっと休んでください

あなたが休めば、次の人が休みます。

そうして、みなさんで休養しましょう。

今の学校現場は、休めない雰囲気がはびこっています。

その雰囲気をあなたが打ち破っていくのです。

 

わたしは、当時の休暇取得率が8割を超えていました。

これを学校全体、いや、日本全体で当たり前にするのです。

また、教員になったとき、毎日 定時で退校すると決めました。

そのため、平均残業時間は1日あたり30分以内でしたよ。

やればできるんです。

 

もう一度だけ言います。

今 はびこっている時代遅れの風潮を、あなたから変えるのです

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

この記事を
いいね ! しよう

Twitter で
スポンサードリンク