教採に合格【準備するもの】高校編
合格おめでとうございます。
来年度からの仕事へ、期待と不安があることでしょう。
合格通知を受けたあなたへ、今、何を準備しておくべきかお伝えします。
とくに、大学生や大学院生のあなたに知っておいていただきたいことをまとめました。
3月になるまでに 必要なもの
3月になると、赴任先に行き、校長先生方とお話をする機会があります。
この3月に赴任先を訪れたとき、高校の雰囲気や先生方の様子を観察しておくとよいでしょう。
また、新年度が始まってから、さまざまな書類を書きます。
それまでに、絶対用意しておくべきグッズをまとめました。
- 印鑑
必ずシャチハタ以外の印鑑を用意してください。
簡易的な書類の捺印は、シャチハタでもかまいません。
しかし、いざというときや正式な書類の捺印に、シャチハタを用いることは厳禁です。
- 油性ボールペンの黒色
赴任先で仕事をするようになれば、もちろん、ほとんどの文房具が支給されます。
しかし、支給される前は、自前のボールペンで書類を書く必要があります。意外と知られていないので驚いたことがあるのですが、正式な書類を書くときは、油性ボールペンの黒色を使うものなのです。
水性インクだと、水でかんたんに にじんでしまいます。
また、時間の経過とともに、色あせていくインクもあります。さらに、正式な書類を書くときのインクの色は、黒色または濃い紺色と決められています。
濃い紺色は、万年筆を用いるかたが使われる色です。
多くのかたはボールペンを用いるので、黒色と指定されているのです。
出欠簿をはじめとするものは、公式書類です。
こうした長期間保管する、公式書類を書く場合は、油性ボールペンの黒色が必須なのです。
- USBやHD
必要な容量は、人によって異なります。
わたしなんかは、授業でよく動画を見せていたので、8GBのUSBメモリを個人的に使っていました(もちろん申請した上で)。ICT機器を利用するつもりがない先生でも、授業プリントやテスト問題などのデータを保管しておく必要があります。
また、個人的にUSBを持っていれば、1度申請するだけで、家での作業と学校での作業をリンクさせられます。ちなみに、わたしが初任者だったときは、よく家に帰ってから授業プリントを作成していました。
しかし、初任者だった1年の後期に入ってからは、持ち帰り仕事をすることがほとんどありませんでした。
つまり、USBを使う頻度も減ったということです。
- スーツ
1週間分のスーツ(上下セット)を用意しておく必要があります。
最低3着は用意して、ローテーションしながら使えば、どのスーツも傷みにくいと言えます。ここだけの話、夏場はクールビズが提唱されるため、主に下のスーツだけしか使いません。
だから、夏場のスーツは上下セットではなく、下のパンツやスカートだけを用意すればいいのです。
むしろ、下だけを使うことで、生地がよれってしまったり、光沢が出たりしてしまいます。
上のジャケットと合わせて着るときに、下の使用感がもろに出てしまうので、夏用のスーツは、下(パンツやスカート)だけ用意すれば十分なのです。
- ジャージなどの動きやすい服装
高校時代のジャージがあれば、それで かまいません。わたしの赴任校では、花壇の苗植えやグラウンド周辺の清掃活動があり、頻繁にジャージが必要となりました。
しかし、みすぼらしいジャージしか実家になかったので、すべてジーンズ+パーカーで作業していました。もちろん、体育祭は、それ以上に動きやすい服装でした。
さらに、日差しが強いシーズンのために、つばの長い帽子を手に入れておくとよいでしょう。
- シューズ(内履き2種類)
内履きは2種類必要になる学校が多いです。
ふだん校内を歩くときに使うものと、体育館で履くためだけに使うものです。ふだん使うものは、男性であれば黒めのクロックスやスリッパ、女性であれば黒いナースシューズやぺったんこシューズが多い印象です。
体育館で使うものは、運動靴の先生が多かったです。どのような上履きであっても、長時間 履くものになります。
自分の足に合った履き物を選びましょう。
- 手帳(スケジュール管理用)
はっきり言って、先生の業務は多忙です。
聞くところによると、多忙化解消委員会なる組織がつくられているほどです。そのような多忙さにも関わらず、約束事を忘れてしまうと、当たり前のように叱られます。約束事を守るためには、記憶しておけばいいのですが、正直に言って、すべてを記憶しておくことができないくらい忙しいです。 そこで、必要になるのが予定を書きこむための手帳・スケジュール帳です。 わたしが今でも愛用しているのが、16cm × 9.5cm × 0.5cmの小型手帳です。
大きすぎても小さすぎても不便ですが、若いうちから小さい手帳を携帯しておくとよいでしょう。
初任者で、右も左も分からないうちは、その手帳にまとめてメモをとるのがおススメです。
教員をしていると、どうしても気になる「スーツの着方」については、次をご覧ください。
学校で支給(貸与)されるもの
自分で用意すべきもの以外で必要そうなものは、たいてい赴任校で用意してもらえます。
- 教科書・副教材
3月に校長先生方との顔合わせの際、教材をまとめて渡されることがあります。
そうして教材を3月中にゲットできたら、新年度が始めるまで、予習することができます。
もし、顔合わせのときに教材を確認したい場合は、前もって、電話で その旨を伝えておくといいでしょう。
- チョーク・チョークケース
わたしが初任者で勤めていた高校は、事務室に行けば、プラスチック製のチョークケースがもらえました。
そのチョークケースは、文房具屋さんなどにおいて、300円で販売されている定番の商品です。もし、チョークケースにこだわりがあれば、自分で用意したほうがいいです。
わたしは、プラスチックが割れやすくて嫌いなので、お菓子が入っていた薄い小さな缶ケースをチョークケースにしていました。
- ボールペンや採点ペン、付せん、朱肉などの文房具全般
わたしは、出張に行くときだけ、自前のボールペンを使っていました。
なんといっても、お気に入りのペンは、気分を上げるために必要だからです。もし、こだわりがなければ、ただのボールペンを使えばよいだけです。
- 学校管理番号がわりあてられたUSB
(申請すれば、学校外に持ち出せる)
- 学校管理番号がわりあてられたパソコン
(申請すれば、学校外に持ち出せる)
多くの場合、自分の電子機器を学校で使用することは禁止されています。
もちろん、パソコンだけではなく、USBといった電子媒体も、持ち込みや持ち出しは許可なく行うことはできません。
ただし、高校にある申請書類を担当部署に提出・認可されれば、持ち込み・持ち出しはできることになっています。
ただ、くれぐれも個人情報は学校外に持ち出さないことは約束してください。
あなた自身を守るためです。
大学や初任者研修でも学びますが、個人情報ファイルは最低限、「カギ」をかけて、パスワード入力しなければ開かないようにしておく必要があります。
教科や学校によって必要になるもの
あとから必要になるものの多くは、赴任校で生活するようになってから買い足せば問題ありません。
また、学校によっても設備や備品が異なるので、自分で授業してみたり、まわりの先生に話を聞いたりしてから調達するほうが賢いです。
ちなみに、わたしが初任者で赴任した高校には、プロジェクターもスクリーンも、職員室に6台常備されていました。
ただ、レーザーポインターや小型マウスがなかったので、自前で用意しました。
そのほか、職員室にある自分の机の引き出しには、仕切りがありませんでした。
そのため、引き出しに収まるケースを、100円ショップでいくつか購入しました。
机によっては、仕切りがついているものもあったようです。
わたしにわりあてられた机には、偶然 付いていませんでした。
また、国語科や数学科の多くの先生は、指示棒(伸縮する棒)を持っていらっしゃいました。
理科の先生だと白衣と安全ゴーグル、家庭科の先生でも白衣は、自前の物があると衛生的によさそうですね。
赴任先が決まってからの準備
今から準備するものは、「物」だけではありません。
3月になると、赴任先の管理職の先生から電話が入ります。
そこでやっと、自分がどの高校に赴任するのかが分かります。
わたしは、2月も海外旅行に行っていました。
3月上旬に、赴任先から電話があるということは知っていたので、早めに帰国しました。
実際、帰国して翌々日に、赴任先から電話がありました。
ギリギリセーフでしたね。笑
教員採用試験に合格した9月から翌年の3月までは、大きく間が空きます。
大学生であれば、この間は、ただひたすら卒業研究に追われることでしょう。
すでに社会人となり、講師などをされているかたは、何も変わらない日々ですね。
わたしは、合格発表を受ける前、つまり、二次試験翌日から1か月間、海外にいました。笑
大学生のかたは、今のうちにやりたいことをやれるだけやっておきましょう。
そうして、大学生気分に終止符を打っておくことを強くすすめます。
わたしは、教員採用試験を受ける以前から卒業研究をコツコツと進めていたので、帰国してから、卒業研究の続きを再スタートさせても十分な結果が出せたという感じです。
ゼミの教授には、「海外に行くな、研究しろ」と言われましたが。笑
それも、今となっては よき思い出です。
さて、話を戻しましょう。
3月、赴任校が分かってから準備することは、引っ越しです。
新居や家具をはじめ、さまざまなものを準備せねばなりません。
そもそも引っ越しする必要のない人や、訳あって3月中に引っ越しできない人もいますね。
もし、家の近くの高校が赴任校になったらラッキーです。
引っ越す必要がありませんからね。
しかし、家から離れたところが赴任先になった場合、引っ越した方がいいかと個人的に考えます。
ただでさえ、勤務が大変だと言うのに、通勤時間に30分以上かけるのは時間のムダです。
新しい環境になれるまでは、疲れも溜まりやすいので、できることなら通勤時間は30分以内にしましょう。
しかも、引っ越すのであれば、早急に引っ越し先を探さねばなりません。
その理由は、いたって単純です。
いい物件は、ほかの人にも狙われてしまうからです。
小学校や中学校の先生よりも、県職員である高校の先生は、早く異動先が出る傾向にあります。
であるにも関わらず、ちんたらしていると、小・中学校の先生によい物件をとられかねません。
また、この3月という時期は、引っ越し業者も繁盛期にあたるため、予約が埋まってしまう可能性が高いのです。
大学生になる人やほかの社会人のかたも引っ越す時期ですから、早いうちに物件を決め、引っ越し業者に依頼すべきです。
この3月という1か月間が、準備するのに一番忙しくなる時期です。
覚悟しておいてください。
以上の引っ越しの件を頭に入れたうえで、「準備するもの」を集めてくださいね。
社会人なのですから、余裕をもって準備しましょう。
とにかく、これからが大変です。
心の余裕を大切に、よい教員生活を送ってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。