教員【働き方改革】ブラックのままでOK!?

昨日、中央教育審議会(中教審)と呼ばれる国の組織から、一つの案が出されました。

それは、学校の先生の働き方についての案です。

今回は、その案がどのような意味をもち、また、本当に意味があるものなのか、お伝えしていきます。

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中教審 働き方改革の答申素案の意味

早い話が、公立学校の先生は、残業時間を月に45時間までにしましょう、ということです。

これに合わせて、年間の残業上限時間を360時間にしましょう、ともうたわれました。

年間で360時間を ひと月あたりに換算すると、

360時間 ÷ 12か月 = 30時間 / 月

となり、平均して、ひと月30時間が上限ということを意味しています。

学校の先生を務めていらっしゃった方なら、お分かりいただけるかと思います。

この数字は、無謀な挑戦とも受け取れる数字です。

本当に、その上限時間内に業務が終われば、先生の働き方改革は成功と言えるでしょう。

しかし、現状とは かけ離れています。

文部科学省(文科省)から出ているデータ(2016年度)を見てみると、公立学校に勤める8割以上の先生が、ひと月45時間以上残業しているという結果が出ているからです。

実際に、わたしも学校の先生として勤務していたので、その経験からも言えます。

月に30~45時間以内で業務をこなせ。

というのは、あまりにも先生方への負担が大きくなると推測できます。

では、

なぜ このような無謀な案が出されたか。

これが、もっとも目を向けなければならないことなのです。

大きな意味は、3つ考えられます。


基準の数値を決め、守らせる必要がある

学校の先生は、子ども好きであり、おしゃべりも好きな傾向があります。

だから、勤務時間内・外ともに、ほかの先生や保護者の方、あるいは、地域の方と話し込んでしまう場面が多々あります。

無駄口をたたいている場合ですか?

わたしが教員だった頃は、このように考え、定時に退校することだけを考えていました。

ただ、まわりの先生方は、夜10時まで学校に残るのが ふつうだったようです。


先生は、その気になれば、なんでもできます。オールマイティですから。

わたしは、教員1年目にして、定時退校を確立しました。

まわりの先生は、鋭い目でわたしを見ていたようですが、そのようなことを気にしていたら、自分の生活が脅かされます。

まずは、先生自身の勤務の仕方を見直すところからです。

ムダな時間ばかり費やしていないか、反省してもらうためにも、やはり、「一定の制限時間」を設けると言うのは、大賛成です。

業務が多すぎることを周知する

学校の先生は、オールマイティだと言いました。

なぜなら、毎日こなしている業務の種類が、恐ろしいほど多いからです。

次に挙げるのは、一部にしかすぎません。

  • 授業・教材研究
  • 校務に関わる文書の作成・印刷
  • テストの作成・監督・採点
  • 学校運営・学級(ホームルーム)経営
  • 行事の計画・実施
  • クラブ活動・部活動
  • 給食の配膳
  • 清掃活動
  • 児童・生徒指導
  • 不登校の子への対応
  • 進路指導(カリキュラムマネジメント)
  • カウンセリング(話を聴いてあげること)
  • 保護者対応
  • 地域の方々への対応
  • 会議
  • 国が定める教職員研修・課題
  • 教員免許更新の講義の受講・課題・試験
  • 新学習指導要領への対応

はっきり言って、先生一人に割りあてられる業務が多すぎるのです。

しかし、学校の先生は、頑張ってこれらをやりきろうとします。

そんなすばらしい方々ばかりなのに、業務過多でストレスを抱え、お辞めになってしまうのです。

わたしも、そんな先生を何人か見てきました。

さらに、年度の途中で休職されたり、退職されたりすると、残された先生方の負担が激増します。

しかし、多くの業務は今まで通り こなさなければなりません。

自分の時間を削って働いているにもかかわらず、いっこうに業務が減りません。

わたしも経験しました。

なぜだろうと考えた結果、一つの結論にたどり着きました。

実は、学校の先生って、要領が良いのか悪いのか、次々と新しい仕事を生み出してしまう人が多いのです。

また、業務が多いからこそ、子ども一人一人にてがまわりにくいということも言えます。

そうした事情を、先生以外の人にも知ってもらいたいという願いは、わたしももっていました。

とくに、保護者の方には、理解していただきたいです。

これからの教育は、全国民で支える

「学校の先生は、大変だなぁ。」

「やっぱりブラックだなぁ。」

「絶対に学校の先生になる気はないなぁ。」

そうした言葉で、今回の件を かんたんに片づけないでください。

あなたがそうして生きているのは、身近なところで支えてくださった先生がいるからではないでしょうか?

今、その恩を返すときです。

決して、先生になれと言っているわけではありません。

ただ、一国民として、これからの日本を担う子どもたちのためにできることをしませんか?

スクールカウンセラーとして学校を訪れたり、授業後の子どもたちを学校で見守る活動をしたり・・・。

もしかしたら、あなたにしかできないことがあるかもしれません。

学校の先生を支えたいという気持ちや、今の子どもたちのためにできることをという気持ちをもっていただけたら幸いです。

先生の働き方改革:みなさんの協力が必要

初めに示した、先生の働き方改革は、日本全体で考えていかなければならない課題が見えてくるものです。

日本の教育を現場で支えてくれる先生方を、みなさんで助け、いっしょに支えていきませんか?

教員経験者である わたしも、何かのお役にたちたいと思い、こうして書かせていただいております。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

いっしょに日本をよりよくしていきましょう。

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