子どもが動く【伝え方】たった1つのポイント
学校でクラス運営や授業をしていると、何度言っても話を聞かない子がいたり、言う通りに動かない子がいたりするものです。
教員だったわたしも、そうした場面で とても困りました。
しかし、教員として経験を積むうちに、子どもたちの行動を変えたいなら私自身の言動を変えるだけという簡単な答えにたどり着きました。
今回は、同じ悩みをもつ先生方に、子どもを動かす秘訣についてお伝えします。
先生の伝え方ひとつ変わるだけで、子どもたちは動くようになるのです。
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伝え方のポイントはこれだけ
ずばり、伝え方の重要なポイントは、子どもを一人の人間として対等に見ることです。
教員だけではなく親もそうですが、子どもに何かをお願いしたり、指示したりするときに、ついつい「○○しなさい!」「○○してちょうだい」と命令口調で伝えてしまうことはありませんか?
多くの大人は、子どもを「子ども扱い」しがちです。
しかし、子どもは大人に認めてほしいと思っています。特に、身近な大人である先生に認めてほしいと思っている児童生徒は多いことでしょう。
そのため、命令口調で伝えられると、反発心や抵抗感を抱いてしまうことがあります。
子どもは、大人と同じように、自分の意見や考えを持っています。
その意見や考えを尊重し、対等な立場で話をすることが、子どもの心を開き、行動を引き出すことにつながるのです。
子どもたちは、大人と同じように扱われていることが分かると喜ぶものですが、対等な接し方に慣れてくると、調子に乗ってワガママを言うようになる子もいますので、しかるべきときは毅然とした態度で接するという注意が必要です。
つまり、子どもに何かを伝えたいのであれば、子どもたちに心を開いてもらうことが大切なのです。
子どもの心を開くための注意点
- 子どもの話に耳を傾ける
子どもは、自分の話を聞いてくれる大人を求めています。
子どもの話に耳を傾け、その考えや気持ちに共感することで、子どもたちは自分の存在を認められていると感じることができます。
- 子どもの意見を尊重する
子どもにも自分の意見や考えがあり、それを否定されると傷つくことがあります。子どもの考えを真っ向から否定したり、大人の意見を押し付けたりすることなく、尊重することが大切です。
- 子どもの感情に寄り添う
子どもは、嬉しい、悲しい、気分が乗らないといった感情をさまざまな形で表出します。先生が子どもの感情に共感することで、子どもは安心して自分を表現することができます。
- 子どもを信頼する
子どもにも自分で考えて行動する力があり、大人からの信頼は、自立につながります。時には、子どもたちを信頼して、任せてみましょう。想像以上に大きなことを成し遂げ、成長したんだなぁと驚かせてくれることがあるかもしれません。
これらのポイントを押さえて、子どもが心を開いてくれるように コミュニケーションを取りましょう。
子どもの行動を引き出す具体例
以下に、子どもを動かすための具体例をいくつか挙げておきます。
- 子どもに選択肢を与える
子どもに選択肢を与えることで、大人が狙う結果に誘導することができ、かつ、子どもたちからすると 自分の意志で行動しているように思えます。
例えば、掃除をしていない子どもには「机を拭くか、床を掃くか、どっちがいい?」と聞いてみます。二者択一であれば、断られることは経験上少ないです。
- 子どもに責任を与える
子どもに責任を与えることで、子どもは達成感を味わうことができます。
例えば、片付けが苦手な場合は、まず1つだけ 片付けを任せてみましょう。最初はうまくできないかもしれませんが、徐々に2つ、3つとできるようになるでしょう。
- 子どもを褒める
子どもを褒めることで、子どもは自信をつけることができます。「いつもより丁寧な字で書いてあったね!○○さんの気持ちが伝わってきたよ」などと、子どもが何かを意識的に頑張ったと思ったときは、しっかりとその場で褒めてあげましょう。
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子どもの心が離れていく教員
では、逆に、子どもたちから距離を置かれてしまう先生の例を見てみましょう。あなたに当てはまるものはあるでしょうか?
上から目線の教員
いわゆる高圧的な態度をとる先生です。
実際に、子どもたちから軽蔑されていた教員の言動を紹介しておきましょう。
- (理由も聞かずに)「立っていなさい!」
- 「こんなものも分からんのか」
- 生徒のノートを見て、ため息をつきながら机間指導
- 「ここは前も話したから、知ってて当然だよね」
- 子どもの返答を待っているときの貧乏ゆすり
否定的な教員
何でもネガティブにとらえて、発言すらもマイナスのことしか言わない先生です。「現実を見なさい」と言わんばかりの言葉が目につきます。
- 「どうせ君たちには できないよ」
- 「所詮、あなたはそのレベルだ」
- 「君にはできないんだから、早くあきめたら?」
- 「そんなの無理 無理」
押しつける教員
「私のほうが長く生きているから、より多くの知識・経験がある。だから、子どもに教えてあげなくちゃ。」という考え方の先生です。
より多くの経験を伝えてあげられることは、教員として素晴らしいことです。ただ、「こうしなさい」「こうあるべき」と子どもに押しつけてしまう危険性が潜んでいます。
「わたしはこう生きてきたから、あなたもそうしなさい」という、いわゆる自分と同じ道を歩ませようとするタイプです。
子どもは子どもで考え、自分たちの時代を生きていきますから、先生自身がやってきたことは、紹介程度にとどめておくのがよいでしょう。
教員は、子どもに 日々さまざまなことを教える立場なので、子どもの考えを無下に扱うと、子どもたちは「自分で考えをもってはいけないのかな」と感じてしまう可能性があります。
(余談)伝える相手は本当に子どもなのか?
現代の子どもたちは、日々の生活の中で、さまざまなところから情報を得ています。
そのためか、ひと昔前と比べて、今の子どもたちが年齢の割に大人びているように思うのです。こう思うのは、私だけでしょうか。
ただの大人の真似事なのか分かりませんが、大人寄りの考えをもつ子も珍しくありません。
そういう子こそ、自分のことを認めてほしいとアピールしているように思うので、わたしは より意識して、一人の大人と接するように話をしています。
人間には、もともと承認欲求があるため、やはり何かを伝えるときには、一人の大人として見るようにすることがポイントだと考えます。
もし、学級経営や授業展開が思うように進まないのであれば、大人びている子を味方につけると少し楽になるように思います。
(最後に)伝え方を学ぶメリット
伝え方のポイントを学んだわたしから言えるのは、コミュニケーションのコツさえつかめば、他の先生とのやり取りや保護者対応に活かせるということです。
特に、次のような困りごとを抱えていらっしゃる先生は、伝え方を学ぶメリットが大きいと言えます。
- 教員や保護者との関係でストレスを感じる。
- 相手の言動を変えたい。
- 自分の自己肯定感を高めたい。
- 子どものやる気を引き出したい。
- 怒鳴ってばかりで自分がイヤになる。
書籍でも良いのですが、動画であればより学びやすいので、ぜひご自身のために検討されてはいかがでしょうか。
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