大学生【教採】終わったらやること3つ
教員採用試験が終わり、ホッと一息ついていることかと思います。
この後、卒業式を迎えるまでに、卒業試験や卒業論文に追われる日々が続くでしょう。
そのため、ここで十分に休息をとっておくべきです。
今回は、先生になる大学生に向けて、卒業するまでにやるべきことをお伝えします。
【最重要】卒業できるのか
そもそも、大学では、卒業が認定される単位が決まっています。
たとえば、教育学部であれば、教員免許の取得に必要な単位数自体が、その大学の卒業要件になっていることが多いです。
もし、単位数が不足していると、卒業を認めてもらえません。
つまり、留年という形になります。
仮に、大学を卒業できず、留年という話になれば、たとえ教員採用試験で合格をもらっていても、先生になれないのです。
教員免許をきちんと取得するために、今一度、あなたが通っている大学の卒業要件を見てみるとよいでしょう。
不安な人は、大学の教務課に問い合わせてみるのもひとつの方法です。
卒業試験や論文提出の確認をする
さらに、大学を卒業するためには、より高度な卒業試験や卒業論文が課されている大学もあります。
もちろん、これらも 卒業認定のための単位に含まれることが多いです。
そのため、試験に落ちたり、論文を提出しなかったりした場合、卒業を認めてもらえないということになってしまいます。
わたしが卒業した大学の場合、選択した科によって、卒業論文の提出が必要である科とそうではない科がありました。
わたしは、論文の提出に加えて、論文発表もしましたが、論文提出がない科は時間を持て余しているように感じました。
このように、同じ大学の中でも 差があります。
あなたの卒業試験や卒業論文の提出は、ありますか?
あるとするなら、それは いつですか?
これ以降で紹介する「やるべきこと3つ」をやり切るためには、卒業試験や卒業論文の提出に合わせて 計画を立てる必要があります。
たとえば、わたしの場合は、1月の中旬に卒業論文の提出締め切り、2月上旬に論文発表会がありました。
以上のことから、大学4年次の卒業までのスケジュール(参考)は、次のようになります。
4月・・・・・教採の勉強
卒業論文のデータ集め
5月・・・・・教採の説明会に参加
各自治体に願書の提出
教採の勉強
卒業論文のデータ集め
6月・・・・・教育実習に参加
教採の勉強
卒業論文のデータ集め
7月・・・・・教員採用試験 1次試験
2次試験対策
8月・・・・・教員採用試験 2次試験
卒業論文のデータ集め
9月・・・・・卒業論文のデータ集め
卒業論文の作成
教採の結果発表
10月・・・・卒業論文の作成
11月・・・・卒業論文の作成
卒業論文の発表原稿を作成
12月・・・・卒業論文の完成
論文発表の準備
1月・・・・・卒業論文の提出締め切り
2月・・・・・論文発表
(大学入試のため立ち入り禁止)
3月・・・・・卒業式
赴任校からの連絡
引っ越し
わたしの場合、5月中旬・8月下旬~10月下旬・2月上旬~3月中旬は、自分の時間を十分にとることができました。
こうした余裕のあるときに、次のやるべきこと3つをするのです。
卒業するまでにやるべきこと
海外で生活すること
もっとも やっておいてほしいことが「海外での生活経験を積むこと」です。
これは、単なる海外旅行ではダメです。
ホテル暮らしでかまいませんが、実際に生活してみるのです。
朝市に行ったり、公園内をジョギングしたりしてみてください。
発見があって、面白いものです。
これに加えて、地元の方が利用されるスーパーマーケットで買い物をしてください。
海外で生活している雰囲気を味わえます。
それに、スーパーに行ってみると、日本と価格の違いがあることが分かります。
たとえば、ヨーロッパのドイツで言うと、一般的なパンは、1つで0.3ユーロでした。
わたしが行った当時の日本円に換算すると、なんと、約40円です。
しかも、焼き立てでした。
日本国内であれば、きっと200円はするパンでしょう。
この価格の違いに驚きました。
さらに、海外の方と直接コミュニケーションをとることができるのも よき経験です。
それまで留学経験のなかった方にとっては、とても新鮮で楽しいでしょう。
もちろん、不安はつきものですが。
わたしは、大学生のうちに23カ国だけ訪れたのですが、どの国の方も温かいことがよく分かりました。
電車でヨーロッパを周遊しているとき、近くの座席に座っていらっしゃった地元の方に
「どこから来たの?」
と よく英語で尋ねられたものです。
そこで、
「日本から来ました」
と答えると、日本の興味あることについて、くわしく話をしてくれました。
また別のときには、宿泊していたホステルの炊事場で、同じヨーロッパ旅行に来ていらっしゃったアラブ人の方と話をしました。
夫婦でご旅行に来ていらっしゃるとのことで、奥様はとてもうれしそうに話してくださいました。
拙い英語でも、現地の方々は、ていねいに話をしてくださいます。
ただし、国によって、ていねいさに違いはあります。
アメリカは、一方的に 早口で話してくる方がとても多かったです。
これに対して、ヨーロッパ圏の方々は、わたしのペースに合わせて話をしてくださる方がほとんどでした。
初めての海外生活なら、ヨーロッパ圏がおススメです。
ひとりで難しければ、親しい方といっしょに生活してみることをおススメします。
最低でも1か月間は生活してほしいです。
すると、海外のよさ、日本のよさが分かってきます。
社会人になると、十分に長い休暇を取ることはできません。
まして教員ともなれば、夏季休業といった長期休暇も、かんたんに休みが取れないこともあります。
わたしの経験から、長くても1週間ほどしか休暇を取ることができないという印象があります。
1週間では、生活感は出ません。
さらに、教員になってから 旅行に行く際は、届け出書類を提出しなければなりません。
国内・国外に関係なく提出しなければならず、面倒くさいです。
行き先や旅行期間などを上司に伝えるため、必然的に「お土産」をせがまれる場合もありました。
個人的には、教員になってしまう前に 海外で生活経験を積み、子どもに 海外の本当のよさを伝えられる先生になってほしいです。
趣味を見つけること
今のうちに、料理、語学勉強、スポーツなど、自分に合った趣味を見つけておくことを強く勧めます。
「教員になったら、そんな趣味なんてやってられないよ」
と言われることがあります。
しかし、趣味や好きなものがあれば、なぜ働いているのかという理由がはっきりします。
教員として働く方々は、責任感がとても強く、「子どものために働く」という意思の強さがあります。
しかし、第一の目的だった「子ども」に裏切られたり、「子ども」の期待に応えられなかったりすると、自分が教員であることに違和感を覚えるようになります。
これが、うつ病の原因になってしまうのです。
わたしが勤務していた学校の先生方は、勤務が終わってからの趣味を楽しんでおられました。
車が好きな先生は、愛車を買い、よくドライブに行かれていました。
教員は公務員なので、安定した収入があります。
そのため、車の購入で ローンを組むときも比較的にラクだったそうです。
また、バスケットボールが好きな先生は、社会人のクラブチームに所属し、休日に参加しておられました。
子どもたちにバスケットボールを教えるのも好きで、熱心に部活動の指導をされていました。
「バスケが 生きがいだ」
「仕事がつらくても バスケで発散できる」
と言っていたほどです。
あなたは、なぜ働くのですか?
この問いの答えになる趣味や好きなものを見つけておきましょう。
それが、社会人生活のモチベーションにつながりますから。
本を読むこと
前もって言っておきますが、「本」というのは、電子書籍ではありません。
電子書籍では、脳の活性状態が紙媒体に劣るという研究結果が出ているからです。
ぜひ、大学生のうちから、紙媒体の本をたくさん読みましょう。
始める目安としては、月に2冊以上です。
大学を卒業するまでに、本を読む習慣を身につけておけば、自分を高めることにつながります。
実際に、お昼休みや空いた時間に、読書をして自分磨きをされている先生もいます。
とくに、わたしが勧めたい本は、教養を高めるための本です。
一言で「教養」と言っても、幅が広すぎますよね。
学校の先生になる方におススメなのは、教育に関して 批判的に書かれた書籍です。
「日本の教育は間違っている」
などのように、批判的なものほど、あなたに刺激を与えてくれると考えます。
学校の先生は、どうしても安定を求める傾向にあります。
そのため、問題が起きても、教育委員会に報告せず、隠そうとすることも裏ではあります。
本当に、そのような「安定」が一番よいのでしょうか?
わたしは違うと断言します。
たとえ、まわりの人が賛成していたとしても、
・本当に賛成でよいのか。
・もし自分も賛成だったとして、今後の影響は何があるか。
と、批判的に考え抜く必要があるはずです。
最近の若者は、物事を批判的に見ることができず、与えられたもので満足してしまう傾向があるといいます。
あなたは、これに あてはまるでしょうか。
もし、批判的に見る力がないと感じたのなら、今からでも遅くはありません。
1つの物事をさまざまな角度から見るクセをつけましょう。
そのきっかけに、「読書」を位置づけることをおススメします。
わたしは、大学生のときから、都道府県の図書館に足しげく通っています。
社会人になった今も、月に10冊のペースで本を読んでいるほどです。
これに加えて、日本の教育が 世界から遅れているということも知っておいてください。
日本人の情報活用能力は、数十年前までは調査国の中で1位でした。
しかし、今では、下から数えた方が早いのです。
ほかの国の人々は、日本のように知識を蓄えるだけの教育ではダメだと早々に気づき、修正を繰り返していました。
そのため、日本人以上に、知識を活用することに長けています。
出遅れた日本は、すでに諸外国から置いてきぼりをくらっているように感じます。
教員として、これを見過ごすわけにはいかないでしょう。
だから、教育関係の批判的な書籍を勧めます。
「お金がない」という方へ
「お金がない。ないから使わない。」
と言っていては、あなたのところにお金は回ってきません。
とにかく、お金を稼ぎ、使いましょう。
それには、計画(マネープラン)が必要です。
たとえば、飲食店などのアルバイトを昼間にやるのは、効率が良くありません。
ひとつの経験として働く分にはいいと考えます。
わたしも、大学のはじめは飲食店のアルバイトをしていました。
クレーム対応といったことを学ぶことができ、よい経験でした。
ただ、時間がもったいないです。
飲食店は、半年ほどで辞めて、時給のよい仕事をするべきです。
とくに、時給1,400円以上である、高額なアルバイトをすべきです。
「高額」と言うと、いかがわしいイメージがあるかと思います。
実際、「高時給」というような文句で、いかがわしい行為をさせるための働き手を募集しているところもあります。
だから、そうしたところ以外で、高時給のアルバイトをしましょう。
わたしの知り合いの多くは、家庭教師として、複数の家庭と契約していました。
ただし、大手の家庭教師派遣企業に登録すると、あまり高いお給料はもらえません。
せっかく同じ時間だけ、同じ教えるということをするのであれば、お給料をもらえた方が良いですよね。
であれば、登録した企業を介さない個人契約をするべきです。
または、フリマで要らない物を売ったり、ネットで稼いだりしてもよいですね。
合法でお金を稼ぐにも、さまざまな方法があります。
「お金がない」のではありません。
その意思が弱いだけなのです。
お金について考えていない人、稼ぐために動けていない人は、今から動き出しましょう。
教員になる前の貯金額
では、教員になるまでに、いったい いくらあれば、最初の1か月間を生活できるでしょうか。
ここでは、社会人になって、初めてひとり暮らしをする方を例にお話します。
勤務校の管理職から電話がかかってきたら、すぐに 物件を探します。
勤務校に近すぎず、遠すぎない物件にしましょう。
目安は、2km以上6km以内です。
自治体によって違いますが、勤務校から近い物件だと、交通費は支給されません。
近いなら、自転車で通勤せよという暗黙のルールですね。
そうして、よさそうな物件を見て決めたら、初月までに 次の費用が発生します。
(物件によっては、ゼロ円のところもあります。)
・賃貸物件紹介料・仲介手数料
・敷金や礼金
・保証金(賃貸物件以外で支払うこともある)
・部屋のクリーニング代
・カギ交換費用
・初月の家賃や共益費
・初月の光熱費
仮に、家賃6万円(共益費込み)の物件だったとします。
わたしの場合、仲介手数料が8万円、敷金が家賃1か月分の6万円、礼金0円でした。
保証金は、賃貸物件で家賃1か月分、ガスで1万円を払いました。
新築物件だったため、クリーニング代やカギ交換費用はゼロ円でした。
初月は1週間ほどしか生活しなかったため、光熱費は安く、1万円ほどでした。
これらを合算すると、次のようになります。
8万+6万+6万+1万+0+0+6万+1万=28万
働き始める前に、およそ30万円は必要だということです。
そのほか、携帯料金や日本学生支援機構奨学金などの返済があれば、用意しておくべきお金は、これ以上です。
自分に支払い義務があるものをピックアップしておき、漏れのないように気をつけましょう。
では、最後に・・・。
大学生のうちにやりたいこと・やるべきことをやりきり、胸を張って 立派な教員になってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。