ピンクのシャツ【教育実習生】常識とは
毎年それぞれの学校で、2~4週にわたる教育実習が行われます。
大学生である教育実習生は、まだ社会のことをよく知りません。
にもかかわらず、教員社会には、社会の一般常識に加えて、掟のような常識があるのです。
今回は、教員特有の「常識」についてお伝えしていきます。
教育実習生がやること
教育実習中にやることは次のようなことです。
- ベテランの先生の授業参観
- 日々の授業・研究授業
- 教材研究(おもに学習指導案や授業プリントの作成)
- 管理職や主事(主任)の講話
- クラス活動の参観・指導
- 部活動(クラブ活動)の参加・指導
- 給食中の子どもへの気配り・指導
- 清掃活動への参加・指導
- 飲み会
(わたしは、運動会のお疲れ様会に参加させられました)
教育実習する学校によって、勤務時間・内容は異なります。
上記の中には入っていませんが、
「当たり前のことを当たり前に行う」
ということが非常に重要です。
いわゆる「教員の常識」を、多くの教育実習生は知らないのです。
「常識」に厳しい教員ばかり
教育実習生は、研究授業を行います。
わたしが勤めていた学校にも、教育実習生が何度も来ていました。
そのとき、気合を入れるためか、カラーシャツを着てくる教育実習生が毎年のようにいたのです。
これは、「社会人」として見るなら、だれもがアウトだと言います。
あたり前なことですが、教育実習生も「社会人」です。
たとえ実習先に顔なじみの恩師がいたとしても、「社会人」としてふるまわなければなりません。
学生のノリや、学生同士でしか通じないことは、社会では通用しません。
これは、「社会人の常識」として、おぼえておいてください。
この「常識」を知らない実習生の例が、カラーシャツの件です。
カラーシャツは、とくに大学4年の教育実習生でよく見られました。
研究授業や教育実習の最終日で気合を入れるためなのか、派手な格好で子どもの前に立つことが度々あったのです。
はっきり言って、そんなに目立ちたいですか?
目立つことには いい意味もありますが、社会人として考えるのであれば、非常識だと言われてしまいます。
「すぐに着替えなさい」と言われてもおかしくありません。
実際に、わたしが務めていた学校でも、実習最終日にピンクのYシャツを着てきた男性がいました。
そして、職員室で ベテランの先生に
「教員としての自覚が足らんのじゃ!」
と、お叱りを受けていました。
若気の至りだと言っている先生もいましたが…。
若いからと言って、何でも許されるわけではないことも 肝に銘じておいてください。
ベテランの先生は厳しいように思えますが、これが「常識」なのです。
心得ておきましょう。
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多くの教育実習生に足りないもの
少し喝を入れるような話になりますが、以上のことから推察するに、教育実習生に足りないものが見えてきます。
それは、指導する教員の時間と労力をもらっているという自覚です。
とくに、実習指導担当者の時間は奪うといっても過言ではないほどです。
そのように思っていれば、カラーシャツ&カラーネクタイというふざけた格好をすることは、礼儀知らずでしかないとわかるはずです。
それと、現実の教員生活は、教育実習よりもはるかにつらいものです。
あまったれた心は、家や大学に置いてきてくださいね。
たった数週間の教育実習で、教員になった気にならないでください。
実際に教育実習生に任せるのは、正規教員がやっている仕事の ほんの1割ほどにすぎません。
残りの9割の仕事も含めた上で、教員という仕事が大変か、楽勝か判断してください。
さらに、もう一つ、現実的な話をしておきます。
現場の教員は、教育実習生が来ることに反対しているのです。
理由は、仕事が増えるからです。
ただでさえ、定時に帰ることができない職業、残業代も出ない職業と言われます。
なのに、実習生の面倒まで見なければならず、給与が増えることもない・・・。
しかし、そのようなことは伏せて、表向きは実習生を歓迎しているように見せなければならない・・・。
ほとんどの先生は、以上の気持ちを隠して、実習生を指導しています。
だからこそ、せめて実習生の常識「相手の時間と労力をもらっている」ということを忘れないでください。
ブラックだと言われる学校で、定時に帰るポイントをまとめました。
教員になる方は、次をご覧ください。
身だしなみ以外の「常識」
先に述べたカラーシャツの件は、身だしなみについての「常識」です。
そのほかにも、わたしが経験してきた中での「常識」を書いておきます。ぜひ参考にしてくださいね。
- 期限は必ず守ること。
ただし、早ければ早いほどよいというものではありません。
タイミングを見計らって提出等するとよいです。
- ていねいな言葉遣いをすること。
目上の先生方に ていねいな言葉遣いをするのは、できて当然のことです。
たとえ、話す相手が子どもであっても、一人の人間として、ていねいな言葉遣いをするようにしましょう。
- ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を徹底すること。
教育実習中、さまざまなハプニングが目の前で起こります。
ハプニングが起こることは仕方ないので、その後、自分がどのように対応し、その結果どうなったかを、実習担当の先生に必ず伝えてください。
また、不安なことや気がかりなことがあれば、早めに連絡・相談してください。
どんなにささいなことでもいいですから、心配事はすぐに相談して「杞憂だったね」で済ませた方がお互いに気持ちがよいです。
- 非常事態のとき以外、異性の子どもに触れないこと。
できる限りですが、同性であっても、あまり子どもに触れない方が何かと心配しなくて済みます。
わたしが中学生だったとき、ある女性の教育実習生が友人(女の子)に べたべたと触っていたことがありました。
その友人は「あんまり触ってほしくないんだけどな…」と、言葉をもらしていました。
- なにに対しても 一生懸命になること。
子どもたちや先生は、実習生のことをよく見ています。
一瞬でも気を抜くと、あとが大変です。
「先生があんなことしてたから、俺もやっちゃえ」
なんてことはざらにあります。
風紀が乱れているような学校では、とくに気をつけて実習するべきです。
その逆に、授業やクラス活動で 教育実習生が一生懸命になると、子どもたちは 簡単に ついてきてくれます。
「先生が一生懸命になっているから、わたしも頑張る!」と言って、ほかの子どもたちも巻きこんでくれます。
「なんとしてでも教員になる」という覚悟さえあれば、何に対しても一生懸命になれますよね。
- 教員に必ずなるという意思をもって実習すること。
教育実習をなめてもらっては困ります。
ただ単に「教員免許がほしいから」という理由で教育実習に来られるのは 迷惑です。
今すぐに やめてください。
はっきり言って、今の学校現場は、教育実習を行う余裕なんてありません。
それなのに、自分の時間を削ってまで教育実習生を指導してくださっている先生方がいます。
必ず教員になり、ふたたび学校に戻って来るんだ!という強い意志をもって教育実習に臨むのが「常識」です。
教員の「常識」がイヤなら、教員以外を選んで
この「常識」がふつうだと思われるかたもいれば、わたしのように「堅っ苦しくて嫌になるわ!」と思われるかたもいるでしょう。
そもそも、なぜこんなに教員は「常識」にとらわれてしまっているのでしょうか。
理由はかんたんです。
学校という、限られた空間でしか仕事をしていないからです。
行事等がないかぎり、教員は、社会から断絶された場所でずっと生活することになります。
だから、学校では、異端児をこの上なく嫌い、日々の安定を求める人が多いのです。
安定を求めるがゆえに、教員集団を一色に染めたがり、教員による教員のための「常識」なんてものができてしまうのです。
ちなみに、今回の「カラーシャツがダメ」という考え方の根底は、何だと思いますか?
個人的な考えですが、みんなが同じことをしていないとイヤだからです。
だから、すべての教員が 清潔・真面目に見えるホワイトシャツを着るべきだ、というのです。
こんな特徴をもつのは、日本だけなのでしょうね。
海外の人からすれば、どうしてそんなに「枠」に はめたがるのか理解できないようです。
とくに、教員なんかは、法規のもとで、厳しい生活を強いられていますから、少しでも違うことをしている人がいると、許せないのです。
それが教員同士の派閥争いになったり、教員の中で仲間外れになる人が出てきたりする原因にもなっています。
実際、わたしが教員をしていたときも、裏で悪口を言っている先生がいました。
こんなことは日常茶飯事で、教員も人間なんだと思い知らされました。
ここまでお伝えしてきたことが、教員の本来の姿です。
これに違和感をおぼえたかたは、教員以外の道を選ぶほうがいいかもしれません。
今後の教員に求めるもの
個人的な意見としては、もっと「枠」にはまらない教員を採用してほしいと強く思っています。
そのほうが、今後の日本を支えてくれる子どもを育てられると思います。
「枠」にはまることや、はめることしか知らない教員に、子どもたちは何を教わると言うのでしょうか。
「枠」なんかにとらわれずに、もっと自由な発想を大切にしていきたいものです。
以上のことについて、あなたは、どう思われましたか?
教育実習生よ、「枠」に はまるな
わたしは、教員という「枠」にはまってほしくないので、今、あなたにお伝えしています。
実を言うと、これは、わたしが教育実習生だったとき、実習先の教頭先生に教えていただいたことなんです。
まずみなさんに はっきり言っておきたいことがあります。
教員なんてやめておきなさい。
今からでも遅くありません。
ほかの仕事を見つけなさい。
教員という「枠」に一生涯 とらわれ続ける覚悟がある者だけ、この場に残りなさい。
(教育実習先の教頭先生の講話の冒頭から)
今でもこうして思い返すほど、インパクトがありました。
イヤなら、本当に教員にならないでください。
あなた自身もツラいですし、それで休職すると、ほかの教員の迷惑になるので。
ここまで記してきたように、わたしも教員生活を通して、さまざまな経験をさせてもらいました。
もちろん、その中で「教員に向いているなぁ」と思う実習生もたくさんいました。
ただ、わたしは、教員よりも向いている仕事を見つけ、こうして生活させてもらっています。
今いる先生のたまごたちが、わたしと同じ思いにならないように祈っています。
あなたの人生を 思いっきり楽しんでください!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。