【勉強できなくてもいい?】大人にできること
最近、「勉強なんて できなくてもいいや」という子どもが増えてきたように感じます。
そのような中、株式会社フレーベル館が主催したおもしろい作品展 0点ミュージアム。創造力や発想力にあふれる解答が53点も展示されました。
学校現場では不正解とされてしまう解答ばかりですが、非常に魅力的な神解答ばかりでした。
今回は、2018年に話題になった0点ミュージアムの魅力と勉強ができない子への接し方についてお伝えします。
0点ミュージアムについて
0点ミュージアムは、東京で2日間 開催されました。
料金が無料だったこともあり、多くの方がいらっしゃっていました。
子どもの発想力あふれる解答を見て、これから大きくなっていく子どもたちに期待を寄せました。
以下2つの作品は実際に展示されていたもので、フレーベル館の公式ホームページにも載せられていました。
花火がカラフルなのはなぜでしょう。
――よろこばせたいから。
「人生に必要なものは、 勇気と想像力。 それと、ほんの少しの です。」(チャールズ・チャップリン)
空欄にあてはまる言葉は何でしょう。
――息抜き
「あぁ~、なるほどな。」と感心させられるものばかりでした。
こうして大人になってみると、子どもがもつ創造力・発想力は桁違いだと感じます。
正しい答えを常に求め、面白味のない解答ばかりではつまらないのだと気づかされました。
珍解答は先生たちの刺激になる
学校の職員室でも、子どもたちの珍解答・珍記述はよく話題になります。
例えば、算数の問題で
(前略)
この花束には、赤い花と白い花のどちらが多く入っているでしょう。また、そのわけを書きましょう。
――赤い花。母の日が近いから。
というような解答です。
わたしが教員だったときは、テストやノートに珍記述があれば、一つ一つコメントしていました。
本当に座布団をあげたくなるものがたくさんあり、子どもたちも わたしとのやり取りを楽しんでいるようでした。
また、教員側としても「このような言い回しで出題すると 間違える子が多くなる」といった傾向を把握することができ、子どもたちの記述内容から教え方のヒントをもらえ、win-winの関係だと感じました。
さらに、そのような珍解答・珍記述をする子の中には、勉強ができず悩んでいる子もいました。
わたしは、誰に言われたわけでもなく、そうした子どもたちの居場所づくりになればいいと考え、時間の許す限り ていねいにコメントするようにしました。
すると、その子どもたちが信頼を寄せてくれるようになり、授業中も熱心に話を聞いてくれるようになりました。
そうして子どもたちと一緒に成長できた教員人生だったと感じています。
勉強できない子に教員ができること
一言でいうと、「最後まで見捨てないこと」です。
たとえ勉強ができなくても、人と話すことが苦手でも、得意にしていることやお気に入りのものがあるはずです。
そのポイントを押さえて接することで、子どもたちは心を開いてくれるようになります。
心を開いてもらえると、その子が「この人の話は聞いてみようかな」と思ってくれるようになります。
そうして一度 心を開いてくれたのであれば、それを裏切らないように気をつけることです。
約束はきちんと守り、話の筋を通すことで信用するに値する人だと判断してもらうのです。
人を信じて頼ることも立派な生きていくための力と言えるでしょう。
教員は、その子が大人になったとき 自分の足で歩いて行くことができるように、生きていく力をつけてあげることを目標にしています。
少なくともわたしは、そうして教員時代を過ごしてきました。
いきなり心を開いてもらえるわけでもありませんし、突然 生きていくための力が備わるというわけでもありません。
教員は、勉強できる子・できない子にかかわらず、長い目で見て教育を施すことが重要です。
時には、じっと耐え忍ぶことも必要だと肝に銘じておきましょう。
子どものために 親ができること
今や日本全体で、子どもの創造力・発想力を伸ばそうとしています。
特に、その影響を受けているのは学校ではないでしょうか。
日本の学校教育は、世界の実状とともに、大きく変わり続けています。
その証拠に、小学生からのプログラミング教育がスタートしている次第です。
しかしながら、まだ理想とはかけ離れているように見え、世界各国の方が先を行っているように感じます。
各地域で実態は異なりますが、実際に、海外から移住されてきた方も、日本の学校内の様子を初めて見たときに「兵隊のようだ…」と口にされていました。
今、そうした状況から脱しようと、少しずつ教育が変わってきています。
ただ、無理に教育現場を変えようとすることは、先生方の多忙さにつながってしまいます。
この変化が原因となり、今以上に子どもたちとの交流に余裕がなくなってしまうのは避けたいところです。
先生方は、保護者からの期待もある中で、子どもたちのために奮闘していらっしゃいます。
こうして教育が変わっている最中だからこそ、ご家庭も変わっていく必要があるのではないでしょうか。
何でも先生に任せるのではなく、わが子のために協力する必要があると考えます。
お父さまもお母さまも一人前の大人ですから、子どものためにできることがあるはずです。
ほんの少しの時間だけでも子どもと一緒にいて、あたたかく見守ってあげるのです。お金なんて必要ありません。
大切なのは、あなたが子どもを大切に思う気持ちだけです。
気持ちがあれば、ずっと子どもに寄りそって、話をしたり、知識を伝えたりすることができます。
こうした親とのコミュニケーションを通して、子どもは創造力や発想力も伸ばしていくのです。
「学校ですべて教えてもらえるから大丈夫」という考え方を捨て、「わが子のために 自分ができることをやろう」という考え方に切り替えてみましょう。
これが子どもの創造力・発想力を伸ばすために、あなたができることです。むしろ、親であるあなたにしかできないことです。
そうして、「じゃあ、何ができるかな?」と考えてみてください。
そうすることで、あなたの創造力・発想力を伸ばすことにもつながります。
子どもと一緒になって、あなた自身の創造力・発想力にも磨きをかけましょう。
もう一度だけ言います。
あなたにしかできない、最も大切なことは、子どものそばにいて、勉強や遊びを見守ってあげることです。
「スマートフォン片手に見守ってやる」のではありません。
子どもと一緒になって様々なことを経験し、「できたね~!」とたくさん声をかけてあげるのです。
子どもの考えに対して、大人がいい反応をすることで、自然と創造力・発想力は伸びていきます。
ただし、悪いことをした場合は、その場でちゃんと諭しましょう。それも大人の責任ですから。